冒頭のプロローグT、猟奇殺人から始まる。これがストーリーにどうかかわってくるのか、興味を持ちながら読み始めたのですが、がなかなかつながってきませんでした。最後の方でようやく明らかになります。
黄色いアサガオは存在しない。確かに私も見たことがありません。青いバラが存在しないように黄色いアサガオも存在しないのだろうか。ところが、かつては存在していたそうです。その黄色いアサガオを育てていた老人が殺されます。単なる物取りの仕業として捜査が進められていきますが、徐々に黄色いアサガオの秘密、なぜ絶滅(?)してしまったのか、そこにかかわる複雑な人間模様がその歴史を含めて明らかになっていきます。書名の「夢幻花」は黄色いアサガオのことですが、この書名にもストーリーのヒントがあります。後半の謎解きはなかなか読みごたえがありました。時間をかけて読んだため、内容を思い出しながらの読書になってしまいましたがとても面白かったです。作者(東野さん)の言いたかったことは、現在のご時世から、最後のエピローグに込められていると思います。
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