2022 表紙と感想


冊数
書 籍 名
感  想


 原田マハさん得意の印象派を中心とした画家たちをモチーフにした作品です。4名の画家をその周辺にいた人たちの目線で語っています。
 第1話 「美しい墓」
晩年のマティスの家政婦を勤めたマリアの目線でマティス賀語られる。マティスの死後マリアは修道女になります。その礼拝堂はマティスの描いた絵が掲げられているヴァンスのロザリオ礼拝堂でした。
 第2話 「エトワール」
バレリーナを描き続けたエドガー・ドガ、唯一の彫刻作品「十四歳の小さな踊り子」そのモデルになったマリーとドガに憧れ、アトリエに出入りするようになったメアリーの目線で描かれている。
 第3話 「タンギー爺さん」
タンギー爺さんとは、ゴッホの絵にも出てくる印象派の画家たちにに画材を売っていた人のいい画材店の親父さん。そのタンギー爺さんの娘が、ポール・セザンヌ宛に出した借金の返済を願う手紙という形で表現されています。
 第4話 「ジヴェルニーの食卓」
クロード・モネの晩年の生活を、ともに過ごした使用人家族との心温まるつながりから描いている。






 東野さんの比較的最近の作品です。といっても2013年ですが。
ガリレオ先生こと湯川教授が、鉱物資源開発の話しが持ち込まれた、海の美しい町で開催される開発側と地域の反対住民の話し合いに中立の立場の科学者として参加することになる。そこで宿泊した旅館で、客が自殺のような死ををとげる。ところが亡くなった人は元警視庁の刑事、自殺とは考えにくい。たまたま居合わせた湯川教授が真相究明に関わっていくことになる。結論はある程度見通せるのですが、そこに至るまでの道筋が東野さんらしい作品でした。たまたま旅館に、夏休みを利用して来ていた旅館の親戚の小学生と湯川教授のやり取りにが心休まる感じでした。







 両親と中学生のサッカー少年の平凡な家庭に、突然5億円もの遺産相続の話が持ち上がる。遺産元は母親がむかし少しだけ関わりのある人物でした。なぜ5億円もの相続が母親に贈られるのか。息子とその冷静沈着な友達が謎に迫っていく。そこには裏の裏をかいたような物語が潜んでいました。予想以上に面白く読むことができました。







 主人公の女子高生、森宮優子は、17才において、7つの家族の形を経験、父親が3人、母親が二人、どういう人生を歩んできたのか、そんな疑問を持ちながら読み始めました。現在の父親である森宮壮介氏、その元妻であり、二人目の母親である梨花さん。かなりの個性派であり、この二人が現在の優子を育てたといっても過言ではないと思います。そして、その他にも個性豊かな人々が優子の回りに登場してきます。本来は辛い出来事がなぜか何でもないようなことのように過ぎていってしまう、そんな風に感じました。そのような人生を過ごせたら幸せだろうなとも思いました。人と人とのかかわりあい、血がつながっていなくとも、こういう関係が成り立つんだなと考えを新たにさせられるような内容でした。







 ビブリア古書堂の栞子さんに、ある相談が持ち込まれます。それは、古書店の店主であった夫が癌で亡くなった妻からの相談。夫の蔵書は、遺産として息子に相続されるべきものなのに、夫の父親が処分しようとしている。何とか食い止められないものか、というもの。単なる古書の相続をどうするか、という話かと思いきや、なぜ父親は処分しようとしているのか、息子はどう思っているのかなど、古書店にかかわる人間関係を通しての古書ミステリーといった感じでした。最後は、思いがけない展開で読みごたえがありました。





 2011年から2012年頃に執筆された7つの短編集です。ガリレオこと湯川教授と草薙刑事が事件を解決していきます。
第一章:幻惑す(まどわす)
 ”超能力”をもった新興宗教「クアイの会」の教祖が、ある集まりで裏切者がいると職員である第五部長に念をおくると、苦しみもがきながら5階bの窓から落ちて死んでしまいます。超能力の正体とは?
第二章:透視す(みとおす)
 顧客の名前や職業、バッグの中身言い当てるホステスが殺されてしまう。なぜ殺されてしまったのか、どうやって透視していたのか?
第三章:心聴る(きこえる)
 原因不明の耳鳴りに悩まされる女性事務員。上司が自宅マンションから飛び降り自殺する。別の社員が町中で暴行事件を起こし、たまたま居合わせた草薙刑事が射されてしまう。いったい何が起きているのか、耳鳴りの原因は何か。
第四章:曲球(まがる)
 戦力外通告を受けたプロ野球のピッチャーの物語。突然妻が殺されてしまう。妻は、直前不可解な行動をとっていた。妻はなぜ、どのように殺されたのか。プロ野球での復活を賭け、物理学者の湯川がどのようにかかわるのか?

第五章:念波る(おくる)
 双子の姉妹、春菜と若菜。春菜が胸騒ぎがするから若菜に連絡を取ってほしいと訴える。若菜の夫が帰宅し、自宅で倒れている若菜を発見する。双子の姉妹にテレパシーは存在するのか、湯川教授が検証を試みるが・・・・・。
第6章:偽装う(よそおう)
 湯川教授と草薙刑事が大学時代の仲間の結婚式に参列するために車で向かうが、途中大雨の中でパンク。赤のアウディに乗った女性から傘を借りる。女性は父親の別荘に向かう途中だったが、別荘で亡くなっている両親を発見する。大雨で崖崩れになり、草薙刑事が事件の処理を手伝うことになる。そこには思いがけないトリックがありました。
第7章:演技る(えんじる)
 劇団員が殺され、犯人もはっきりしてるような話しの流れでしたが、そこには思いもよらぬ大どんでん返しが仕組まれていました。




















10




11




12




 

 g